何から始める?
社会福祉法人を設立しようとするときに私たちが最初に行うことは、
自治体の地域福祉課、または、それぞれの社会福祉法事業の所管課に相談することです。
所轄庁は、主たる事務所の所在地を所轄する都道府県知事ですが、事業規模によって以下のように変わります。
・主たる事務所が市の区域内にある社会福祉法人で
その事業が当該市の区域を越えないものは市長
・主たる事務所が指定都市の区域内にある社会福祉法人で
その事業が一つの都道府県の区域内において二以上の市町村の区域にわたる場合は指定都市の長
・二以上の地方厚生局の管轄区域にわたる場合は厚生労働大臣
上記に並行して、評議員・理事・監事予定者を集め設立発起人会を開催、定款の作成、基本財産となる資産の整理を行います。
社会福祉法人では、法人運営にかかる議決機関=評議員、業務執行機関=理事、業務執行の監査=監事と、それぞれ3機関で内部牽制機能を保っています。
設立発起人会議を開催し、法人の基盤となる役員等・定款・基本財産など決議を重ね、社会福祉法人設立のための準備会の運営が始まります。
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事業内容や組織について理解を深めていきましょう。
社会福祉法において、社会福祉法人は
「社会福祉事業を行うことを目的として、この法律の定めるところにより設立された法人」
とされており、社会福祉法第2条に定められている「第一種社会福祉事業」、「第二種社会福祉事業」をいいます。また、「公益事業」「収益事業」も行うことができますが、社会福祉と関連のない事業は行うことができません。
「第一種社会福祉事業」は、行政か社会福祉法人でしか行うことができません。
一方、第二種社会福祉事業は、社会福祉事業ですが、すべての法人主体が届け出をすれば事業を行うことができます。
【第一種社会福祉事業】
・特別養護老人ホーム
・児童養護施設
・障がい者支援施設
・救護施設等
【第二種社会福祉事業】
・保育所
・訪問介護
・デイサービス
・ショートステイ等
評議員会は法人運営の基本ルール・体制を決定するとともに、理事等の選解任や毎事業年度の計算書類や社会福祉充実計画の承認、役員報酬の決定、定款変更など、法人運営を監督する役割を果たしています。
執行機関である理事会から提出された議案を審議し採決する評議員会は、重要事項の議決機関です。
評議員の選解任は理事会で行うことはできず、評議員選任・解任委員会等を設けて選任されます。
また、役員やその社会福祉法人の職員を兼ねることはできません。
特定の評議員や役員と特殊な利害関係にある人も評議員にはなれません。
地域福祉のニーズを法人運営に反映させるという役割も担うため、社会福祉法第三十九条では「社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する者」のうちから選任することになっています。
たとえば自治会長や民生委員、NPOなど非営利組織団体の職員、地域福祉に尽力している人を選任することが望ましいとされています。